亡くなった母に会いたくなったら

親が亡くなってもう数年も経っているのに・・・
もう悲しみもある程度言えているはずのなのに・・

ふと、亡くなった母に会いたくなったりします。
そんな、亡くなった母に会いたくなったらとうしますか?

お墓参りもよいのですが、それでもやっぱりもう少しリアルに母親のぬくもりも感じてみたいものですよね。

亡くなった母に会いたくなったら?昔なにを料理してくれたか思い出す

私の場合は、昔まだ母が元気だったころに作ってくれた料理を探して食べに行きます。
もちろん、母がそれを作ってくれたのは私がまだ子供の頃の話です。
ですからその味も正直うろ覚えです。

在りし日の母が作ってくれた参鶏湯

昔、なぜか私が風邪をひくと母が参鶏湯を作ってくれていました。
もちろん鶏一羽まるごと入っているような本格的な韓国風参鶏湯ではなく、ただ手羽先を煮込んだだけのものです。
今から考えると、鶏がらラーメンのスープだけみたいなやつです。
それに白ご飯をぶち込んでリゾット状にして風邪で食欲のない私でも食べれるようにしてくれていました。
味ですか?
決して美味しいとはいえませんでした。
まあ、ちょっと栄養の高いお粥みたいな感じで、うっすら塩味だけしかしません。

ある日、知り合いの方に誘われて、韓国料理屋さんに連れて行ってもらいました。
お世辞にも高級とはほど遠いお店で正直 きったないお店です。
たまたまそこのメニューに書いてあった「参鶏湯」が目に止まりました。
その店によく通っている知り合いも食べたこともないそうで、あまり人気メニューではないようです。

なんとなく気になって頼んでみました。
すると・・・

母が作ってくれた「なんちゃって参鶏湯」に少し似ているような気がしたのです。
すこし恥ずかしかったのですが、白飯を追加で頼みそこにぶち込んで食べました。
なぜならそれが私の実家での食べ方だったんです。

いやぁ、涙がこぼれました、
お世辞にも決して美味いとは思えませんし、その知り合いの友人にもすすめるほどのものではありません。
でも、なぜか懐かしくて・・・
「こんなんやったかなぁ・・・・?」
「なんかちょっと違う気もするけど・・・」
そんなことをひとりブツブツつぶやきながら完食しました。
「◎◎さん、ほんまにエエお店教えてもらってありがとうございます。」
そんなお礼を言うとその知り合いは、なぜそんなに気に入ったのか理由がわからないようできょとんとしていました。

その後、年に数回は通うようになりました。

それは
ふと亡くなった母に会いたくなったらそこの参鶏湯を食べる
というルーティンができたからです。
ただこの前、実兄をその店に連れて行ってあげたのですが
「オカンが作ってたん、こんなんとちゃうでぇ」
とダメ出しを食らってしまいましたけどね。
まあ、亡くなった母を思い出すのが目的ですし、そうやって時々は思い出してあげるのも供養かもしれません。

「こんな感傷的なのは僕だけかなぁ・・・」
と思っていたらそうでもないみたいです。

お母さんを亡くされた出川哲郎さんも「母ちゃんのおにぎり」を思い出されて涙を流されていましたしね・・・・
この番組、最新のCG技術を駆使して亡くなった方の映像を作り出して亡くなった方との再会を果たすという企画の番組です。

母ちゃんのおにぎり

出川さんにとっては、CG技術でそっくりに合成された岡さんの映像よりも何の変哲もないただの「みそおにぎり」のほうがお母さんに逢えた実感がわいたのではないでしょうか。

まわりの人から見たら
「それのなにが美味いのか?」
なんて説明すらできません。

亡くなった母に会いたくなったら・・・
女性の方で料理が出来る方なら、昔に作ってくれた料理を思い出してみて作ったり
男性ならばお姉さんや妹さんに作ってもらってはいかがでしょうか?

私も墓じまいのことで悩み苦しんでいる方もたくさんお会いしてきましたが、お墓が必ずしも親がいる場所ではないと思います。
たまにはお母さんが作ってくれた手料理を思い出して食べてみる
それで十分だと思います。